RLR-0030 ・ 更新 2026/10/19
ComfyUI 0.42.1でMOSS-Image正式対応!文字入り画像とレイアウト生成をローカルで試す方法
2026年10月19日のComfyUI 0.42系でMOSS-Imageが正式対応。文字描画と位置指定に強い5B画像生成モデルの特徴、Base/SFT、必要ファイル、導入手順、VRAMや日本語の注意点を公式資料で解説します。
画像生成AIで「ポスターの文字が読めない」「タイトルを思った位置に置けない」と困ったことはありませんか?
2026年10月16日に公開された画像生成モデル MOSS-Image が、ComfyUIの標準機能から扱えるようになりました。10月19日に確認した公式リリースでは、ComfyUI v0.42.0でMOSS-Imageの対応が追加され、続く v0.42.1でMOSS画像テンプレートのクラッシュ問題が修正されています。
MOSS-Imageの特徴は、単に絵を描くだけでなく、画像の中の英語・中国語の文字や、文字・物体の配置を指定できること。たとえばサムネイルやポスターの試作で、どこに見出しを置きたいかをAIへ伝えやすくなります。
先に結論をまとめます。
- 今試せる? はい。公式ガイドはComfyUI 0.41.3以降を要件とし、0.42.1も公開されています。ただし自分の環境への更新は必要です。
- 何を入れる? MOSS-Imageの画像モデル、Qwen3.5-9Bのテキストエンコーダー、FLUX.2のVAEを用意します。
- 誰向け? 画像に英語の見出しを入れたい人、要素の位置を決めてポスターや図解を試作したい人。
- 注意は? 日本語文字の正確さ、必要VRAM、生成速度は今回の公式情報だけでは保証できません。
この記事は2026年10月19日時点のComfyUI公式リリースと日本語チュートリアル、開発元OpenMOSSの発表をもとに整理しています。Rossy Laboratoryでの実機生成テストは未実施です。
何が新しくなった?「新モデル」と「ComfyUI対応」は別の話
日付を分けると、今回の変化が理解しやすくなります。
| 日付 | 出来事 | 個人ユーザーへの意味 |
|---|---|---|
| 2026年10月16日 | OpenMOSSがMOSS-ImageのBase/SFTと重みを公開 | 新しい画像生成モデルをダウンロードして試せるように |
| 2026年10月16日 | ComfyUI本体へMOSS-Image対応がマージ | 外部の専用実装だけに頼らない標準経路が整備 |
| 2026年10月19日確認 | ComfyUI v0.42.0のリリースノートに対応を記載 | 通常のリリース版で新モデルの利用経路が明確に |
| 2026年10月19日確認 | v0.42.1がMOSS画像テンプレートのクラッシュを修正 | 新しいテンプレートを試す前に修正版を選ぶ理由ができた |
つまり「MOSS-Imageという新しいモデルが登場した」ことと、「ComfyUI側がそのモデルを認識し、公式テンプレートから使えるようになった」ことが今回のニュースです。
ComfyUI v0.42.0には、MOSS-Image以外にもQwen 3.x系の性能改善、テンプレート更新、Krea 3 Imageのパートナーノードなどが含まれます。ただしこの記事では、個人PCでの画像生成に直結するMOSS-Imageに絞ります。
ComfyUI v0.42.0の変更点 / v0.42.1の修正内容
MOSS-Imageとは? 5Bの画像モデルと9Bの文章理解部分
MOSS-Imageは、OpenMOSSが公開したオープンウェイトのテキスト画像生成モデルです。画像を作る中心部分は約50億パラメータのDiT(Diffusion Transformer)。これにQwen3.5-9BテキストエンコーダーとFLUX.2系VAEを組み合わせて使います。
「5Bだから5B分のメモリだけで動く」と考えるのは早計です。文章を理解するエンコーダーやVAEも必要で、量子化形式、解像度、オフロード設定によってメモリ消費は変わります。
公式が強調する特徴は次の3つです。
1. 文字を含む画像生成。 英語と中国語の文字描画を想定しています。ポスター、看板、ラベル、見出しの試作に向きます。ただし、日本語の漢字・かなを正確に描ける保証は公式説明にありません。日本語の完成テロップは画像編集ソフトで後入れする判断も大切です。
2. レイアウトの位置指定。 画像全体を文章で説明するだけでなく、テキストや物体ごとに「この範囲に置く」という枠を与えられます。公式テンプレートでは Create Bounding Boxes で枠を描き、要素ごとの説明を入力します。
3. 長めのプロンプト。 開発元は約4,000トークンまでの入力を特徴として紹介しています。ただし、長く書けば必ず意図どおりになるわけではありません。
開発元の公式リポジトリとComfyUIの解説で確認できます。
BaseとSFT、最初に選ぶならどちら?
モデルには MOSS-Image-Base と MOSS-Image-SFT があります。
| 種類 | 役割 | まず選ぶ場面 |
|---|---|---|
| SFT | 調整済みモデル。文字のまとまりや配置を整えやすい | 普通に画像・ポスターを生成してみたい |
| Base | 追加学習・LoRA作成などの出発点 | 自分でモデルを調整したい、両者を比較したい |
初心者はSFTから試すのが自然です。これは「SFTなら必ず高品質」という意味ではなく、公式テンプレートもSFTを通常利用の入口としているためです。
公開されているモデルと関連コードのライセンスには Apache-2.0 が示されています。ただし実際の商用制作では、組み合わせる追加モデル、素材、出力物の権利も個別に確認してください。
ComfyUIで使う手順:まず公式テンプレートから
最短経路は、公式チュートリアルにある既成ワークフローを開く方法です。ゼロからノードを組む必要はありません。
- 現在のComfyUIのバージョンを確認します。公式の必要条件は 0.41.3以降。更新する場合は既存のカスタムノードやワークフローをバックアップし、使用中の環境をいきなり上書きしないようにします。MOSSテンプレートのクラッシュ修正が入った 0.42.1 を選ぶ意味があります。
- ComfyUIの**Template(テンプレート)**から MOSS-Image を検索し、MOSS-Image: Text to Image を開きます。見つからない場合は、ComfyUI本体・フロントエンド・テンプレートの更新状態を確認します。
- Comfy-Org公式モデル配布ページから、画像モデル、テキストエンコーダー、VAEを用意します。必要な3ファイルは次の表を参照してください。
- テンプレート内のローダーが対応ファイルを参照しているか確認し、画像の説明を入力します。
- Queueで実行します。最初は1024×1024程度のシンプルな英語の説明から試すと、文字や配置の確認がしやすくなります。
SFTテンプレートの基本ファイル配置
| 保存先 | 公式テンプレートで使うファイル |
|---|---|
| ComfyUI/models/diffusion_models/ | moss_image_sft_int8_convrot.safetensors |
| ComfyUI/models/text_encoders/ | qwen3.5_9b_w4a8_gptq.safetensors |
| ComfyUI/models/vae/ | flux2-vae_small.safetensors |
上の3つは公式チュートリアルが示すint8系テンプレートの組み合わせです。配布ページにはbf16版などもありますが、名前の似た別形式を混ぜるとローダーが一致しない場合があります。
すでにMOSS-Image用の外部カスタムノードを使っている場合も、標準対応のテンプレートと外部プラグインのワークフローは別経路として考えてください。新しい標準テンプレートを試すために、無関係なカスタムノードを削除する必要はありません。
文字の位置を決めたいなら「Layout-Guided」を使う
通常のText to Imageは、文章で全体像を指定する方法です。一方、タイトルやイラストを特定の場所に置きたいなら、公式の別テンプレート MOSS-Image: Layout-Guided Text to Image が便利です。
操作の流れは、テンプレートを開き、Create Bounding Boxes で要素ごとの四角い領域を描き、各領域に説明文を設定し、全体のシーン説明を入力してQueueで実行する、というものです。テキスト用の枠には表示したい文字も指定します。
たとえば架空の旅行ポスターを作るなら、上部に「EXPLORE」という英語タイトル、中央に山のイラスト、下部に短い説明文という枠を作れます。文字や物体の配置をAIへ構造化して渡せる点が、文章だけの指示との違いです。
ただしこれは画像編集ソフトのようにピクセル単位で完全固定できる機能ではありません。生成結果の位置や文字は必ず目視で確認してください。
生成設定の数字が違う? 公式テンプレートと開発元の推奨
「別の解説とステップ数が違う」という混乱が起きやすい部分です。
ComfyUIの公式チュートリアルによると、配布テンプレートは25ステップ、CFG 2.5、er_sdeで速度を意識した設定です。一方、開発元OpenMOSSの例は50ステップ、CFG 3、Flow-matching Eulerを基本として案内しています。
これは矛盾というより、最初に試しやすいテンプレート設定と開発元が示す標準的な生成設定の違いです。結果が崩れた場合にステップ数やCFGを見直す判断材料になりますが、増やせば必ず改善するわけではありません。
また通常のText to Imageテンプレートには、短い指示を詳しい説明へ広げる prompt upsampler が含まれます。便利な反面、元の文章から内容が変わることもあります。Preview Any で実際に渡された説明を確認し、意図がずれるなら enable_prompt_upsampler をfalseにして比較できます。
RTX 4090の24GB VRAMで動く? 言い切れない理由
個人PCユーザーが最も気になるのはここでしょう。
MOSS-Imageの中心モデルは5Bですが、実行にはQwen3.5-9BエンコーダーとVAEも必要です。公式配布にはメモリ負荷を抑えやすいint8系と、より容量を使うbf16系があります。
RTX 4090は24GB VRAM搭載ですが、今回確認した一次情報には、Rossy Laboratoryと同じWindows/RTX 4090構成での必要VRAMの確定値や生成秒数の実測結果はありません。そのため「4090なら絶対動く」「何秒で生成できる」とは断定しません。
まずint8系の公式テンプレートを選び、他のGPU使用アプリを終了したうえで、GPUメモリ使用量と生成結果を確認するのが現実的です。モデルのオフロードや解像度調整で動作条件が変わることもありますが、速度が遅くなる可能性があります。
また5Bは画像生成部分の規模であり、エンコーダーを含めたシステム全体の規模ではない点も覚えておきましょう。
使う前に知っておきたい4つの注意点
日本語文字の保証はない。 開発元が強調しているのは英語と中国語です。日本語のサムネイル文字を完成品質で使うなら、別途テロップ編集を考えてください。
公式画像は完成品の保証ではない。 開発元の作例は機能を理解するための参考です。自分のプロンプトで同じ品質・速度になるとは限りません。
テンプレートのバージョンが重要。 0.41.3以上が必要で、0.42.1にはMOSS画像テンプレートのクラッシュ修正が含まれます。ノードが見つからないときはモデルの再ダウンロードより先に、バージョンや起動時のノード読み込みを確認してください。
画像生成の本体はローカルで動かせる。 オープンウェイトのモデルを自分のGPUで実行する経路は、画像1枚ごとの外部API課金を前提としません。ただしGPU・電力・保存容量などの負担はあります。
まとめ:MOSS-Imageは「文字と配置を意識した画像作り」の新しい選択肢
今回のポイントは、ComfyUI 0.42系にMOSS-Imageの標準対応が入り、公式テンプレートで画像生成とレイアウト指定を試せるようになったことです。v0.42.1では関連テンプレートのクラッシュ修正も行われました。
普通に画像を作りたい人はSFTのText to Image、見出しや物体の位置を指定したい人はLayout-Guided。この2つの入口を覚えるだけでも、新モデルの使いどころが判断できます。
一方、日本語文字の精度とRTX 4090での速度・VRAM使用量は実機未検証です。公式資料で確認できたことと、実際に試して初めて分かることは分けて考えましょう。
参考資料
SOURCES